これは、彼が悪いわけではないと僕は思っています。
考えてみてほしいのですが、多くの東大生は、中学・高校の6年間、いや、下手をすれば小学生の頃から、机に向かって勉強することに時間の大半を使ってきているんです。
その時間、他の同世代の子たちが何をしていたかというと、部活で汗を流していたり、友達と遊びに行ったり、恋愛でドタバタしていたりする。
つまり、東大生というのは、「同世代なら普通に鍛えているコミュニケーション能力」を鍛えてこなかった集団だと言えるのかもしれません。
コミュ力がないのは自然の結果?
サッカーでパスを回しながら瞬時に判断を下す能力。部活の縦社会で、先輩・後輩と間合いを取る能力。文化祭の準備で、意見の違う仲間と着地点を探す能力。
こういう力は、現場でしか鍛えられない、机の上では絶対に身に付かない能力です。
その現場に行かず、教科書に向き合い続けた結果、東大に受かった。それはそれで素晴らしいことなんですが、その代償として、コミュニケーションの筋力は同世代の平均よりむしろ弱かったりする。
だから、東大生が社会に出て「あれ、思ったより使えないな」と言われてしまうのは、ある意味で自然な結果なんです。
……と、ここまで読むと、「じゃあ、やっぱり東大生って使えないんじゃん」と思われるかもしれません。でも、話はそう単純ではないんだと思います。

