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次期学習指導要領が"画期的"と評価の声、本当に実現するのか…学校の責任が重くなる?楽観視では見えない3つの懸念

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次期学習指導要領で情報教育が大幅に拡充される(写真:きんとも / PIXTA)
  • 妹尾 昌俊 一般社団法人ライフ&ワーク代表理事、OCC教育テック大学院大学 教授
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こうした話は、教育課程そのものの内容の論点ではないので、過去の学習指導要領の議論では重視されにくかった。今回文科省は、こうした技術科教員の不足なども含めて「新教科・領域に係る条件整備は国が責任を持って進めなければならない」と述べている(令和8年7月8日教育課程部会 総則・評価特別部会(第10回)参考資料1)。

この強い意気込みには期待したいが、専門性の高い教員の確保という最も基礎的な条件整備が実効性あるものとならなくては、いくら理念の高い学習指導要領をつくっても、画餅となろう。

さらに申し上げれば、今の日本の小中学校等は、教育課題が複雑化、多様化している。特別支援や不登校、いじめ、日本語が困難などで個別のケア、支援が重要な子たちに、個に応じた丁寧な支援をしようとすればするほど、調整授業時間で少しずつ生み出した余裕など、すぐに吹き飛びかねない。教員以外の支援スタッフ等の確保も重要な課題だ。

③ 学力低下論に対して説明していけるか

第3に、学力低下への懸念とプレッシャーに、文科省と各教育委員会、学校がどこまで耐えられるか、説明していけるか。これまでも、学力テストの結果が芳しくない都道府県・市町村では、夏休みの一部を返上して補習を行うなど、むしろ、授業時間を増やすというほうに舵を切るところが多かった。

これが有効だったかどうかも検証が必要なことではあるが(勉強嫌いな子に、猛暑の中で補習等をしても、学習効果は高かったのか?)、授業時間を少しでも減らすと聞くと、「学力低下しかねない」と、すぐに声高に叫ぶ人は少なくない。

先行する研究開発校等で、授業時間を減らしても学力低下等の懸念は特段生じていないのかどうか、もしくは低下しないためにどのような方策が必要か、全国学力・学習状況調査を実施している文科省なら、知見や参考情報を提供していけるのではないか。

関連して、家庭環境による格差が広がる懸念がある。単に放課後などの過ごし方が自由になるだけでは、塾などに行かせる家庭、もしくは早くから受験対策をする学校・家庭の子どもと、そうではない子どもとの間で、今でもある学力差がいっそう広がりかねない。

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難題だが、調整授業時数制度なども活用して、学校で個に応じた指導や学びが正規の授業中にどこまで充実できるかどうかが重要となるだろう。

併せて学校外では、地域等の力を借りて、子どもたちの好奇心や興味を高める活動をしていけるかどうかなども重要となる。例えば、ある市では、夏休み中に研究者と組んで科学の魅力を体験できる場をつくっているが、あまり熱心ではない家庭の子どもが参加しやすくする方策をもっと考えたい。

文科省の検討について、画期的などと手放しで喜べるほど、私は楽観視していない。むしろ、ここ数回の学習指導要領改訂の状況を振り返れば、警戒や注視する必要があることは多い。

一方で、調整授業時数による学校裁量の拡大や教科書の精選など、期待できることも多い。楽観も悲観もせず、文科省の役割を注視しつつも、同時に文科省ばかりに依存するでもない姿勢が、各学校でも、市民目線でも、重要だと思う。

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