連鎖はさらに広がった。大学ノートの老舗・ツバメノートが「MADE IN JAPAN」と印字された出荷用段ボールの写真を投稿し、6万以上のいいねを獲得。工業製品から食品、衣料品といった多業種から「国産○○でもバズりたい」というスタイルで次々と参加した。
国産メーカーが“切実に”バズを求める理由
地域に根付いた老舗企業がSNSで話題になる例は、これまでもあった。例えば、島根県松江市で約140年続くしょうゆメーカー・やすもと醤油(安本産業)は、ツイッター(当時)での“ゆるい発信”が注目され、全国的な知名度を獲得。同社の燻製(くんせい)ドレッシングは人気商品となった。
このように、SNSでのバズは「好機」といえるが、背景には切実な理由も存在する。言うまでもなく国産製品は今、苦境に立たされている。海外生産された廉価製品の登場に加えて、円安のあおりなども受け、価格競争に埋もれてしまうからだ。
本来、価格は判断材料のひとつでしかなく、性能やデザインも含めて多角的に評価されるべきだが、物価高が続く現状では、価格を最優先する消費者心理にも納得の余地がある。
また、地場産業については知名度の面でも、大手メーカーより不利だ。そもそも商流からして小ロットの商品は、まとまった仕入れを行う薄利多売のチェーンストアにそぐわない。棚に並ぶ機会が少ないため、結果的に「手にとられる機会」も少なくなってしまう。

