順序は、やさしいモノから難しいモノへ。捨てやすいゴミを片付けるうちに手が動くようになり、その延長で、大切だと思い込んでいたモノの一部にも自然と手が伸びる。加えて二見氏が勧めるのが、「大切なモノは数を決めて残していい」という逃げ道を先に用意しておくことだ。
「これ(大切なモノ)を置くためのスペースをつくりましょう、という言い方にすると、周りのモノは捨てやすくなるんです」
捨てやすいモノから手をつけ、大切なモノは最後に回す。二見氏が説く心理的な順序は、現場スタッフたちが実践する「角から片付ける」という物理的な順序と、発想の根っこは同じだ。やりやすいところから始め、いちばん向き合いにくいモノを最後に残すのだ。
「これだけゴミがあると、どこから片付けたらいいかわからないじゃないですか。基本は角からです。オセロと一緒で、角を取ったらこっちの勝ち。角から自分のスペースを確保して、中央に向かって攻めていくんです。床がちょっとでも見えると、テンションが上がるはずですよ」(スタッフ)
頼れる大人がいない、だから業者に頼る
もっとも、こうした順序を誰かがそばで助言してくれるなら、そもそも業者を呼ぶ必要はないのかもしれない。特に若い世代は「人に頼るのが下手になった」とも言われている。しかし、二見氏はこう考える。
「下手なんじゃなくて、頼れる大人がそもそもいないんです。頼りたくなるような大人がいないんです」
かつては年上が勝手におせっかいを焼いた。よその子に「もう遅いから帰りな」「ご飯食べていきな」と声をかけ世話をすることもあった。そうした距離の近さが、今はほとんど聞かれなくなった。頼れる人が身近にいないから、最後に残る選択肢が「業者」になる。
「本来なら、その前に頼りたい人がいるはずなんです。でも、私たち(業者)しかいない」

