在宅時間が増えたのは事実だし、ゴミを週に1度しか出せない地域なら溜まりやすくもなる。しかし、それだけでこれほどの量にはならないと二見氏は言う。
「なぜそうなったのか、人はあとから理由をつけたがるんです。でも、よく考えてみれば、他人を自分の家に呼ぶ機会って、大体の人がコロナ禍前からそんなに多くないですよね。本当はそうじゃないのに、根本の問題に蓋をしてしまうんです」
散らかっていく過程に順序があったように、片付けていく過程にも順序がある。そして二見氏によれば、多くの人はその順序を取り違えているという。
「大切なモノから捨てる」という失敗
実家や自室を片付けるとき、多くの人がこう考える。いちばん大切にしているモノを思いきって手放せば、あとは勢いで全部捨てられるはずだ、と。いちばん大切にしているモノは、部屋の中でも物量が多いはずだからだ。
しかし二見氏は、その順序こそが大きな間違いだと指摘する。
「大切なモノを捨てたから一気に捨てられるやろ、ではないんです。その順番が違う」
たとえば、文章を書くことを仕事にしている人間に「部屋を片付けましょう」と持ちかけ、いきなり本棚に並べられている大量の本から捨てろと迫ったらどうなるか。「もっとほかに捨てるモノがある」「なんでそこからなんだ」と反発するに決まっている。
大切なモノから手をつければ、片付けそのものへの抵抗が強くなる。「これを捨てたんだから、ほかも全部捨てられるでしょう」という理屈は、当人の心をむしろ固く閉ざしてしまう。
では、どうすればいいのか。
「“捨てられるモノ”から捨てていくんです。そうやって捨てることに慣れていけば、だんだん大切なモノに近づいたときに、ちゃんと冷静になって考えられるんです。これ本当にいるかな、って」

