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キャリア・教育

昭和の「あがり」は今や「罰ゲーム」 特権なき令和の管理職がホワイトカラーを絶望させる深刻実態

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なぜ「賢い人」が集まってしょうもない意思決定がなされるのか 身近な疑問からみる日本型組織の「無駄の構造」
なぜ日本企業の管理職は「頑張っている」のに、その努力が数字に結びつかないのか?(写真:metamorworks/PIXTA)
  • 太田 肇 同志社大学名誉教授

INDEX

かつては特権階級だった日本企業の管理職ですが、現代では「責任と実務の青天井」に喘ぐ過酷な職種と化しています。本稿では『なぜ「賢い人」が集まってしょうもない意思決定がなされるのか 身近な疑問からみる日本型組織の「無駄の構造」』より一部抜粋のうえ、若者がこぞって背を向ける多忙さの実態を解き明かします。

今どきの管理職の「多忙という名の迷走」

あなた自身の直属の上司、あるいは周囲で見かける管理職の日常を思い浮かべてほしい。彼らは毎朝、部下の誰よりも早く出勤し、デスクに座るやいなやパソコンに向かって膨大な未読メールのチェックを開始する。スタッフがそろい始める頃には、一人ひとりを席に呼び出して事細かに仕事の進捗状況を聞き出し、ときには昨日までの遅れを注意する。

しかし、いざ自分の本来の業務である戦略立案や重要案件の検討を片付けようとしても、外線からかかってきた電話の応対に時間を奪われ、上役である部長から突発的に呼び出され、さらには隣の部署から「ちょっとした相談」という名の調整業務を次々と持ちかけられる。

部内の会議がある日などは、その「てんてこ舞い」ぶりはピークに達する。管理職でありながら、朝から会議室の設営に走り回り、出席者の最終確認を行い、オンラインの接続やプロジェクターの設定までチェックする。会議が始まれば議事録の作成に追われ、終われば終わったで、久しぶりに顔を合わせた出席者との儀礼的な世間話や「情報の交換」という名の社交に付き合わなければならない。

これほどまでに心身をすり減らして働いているにもかかわらず、近年のコスト削減の波を受け、かつてのような手厚い管理職手当は削られ、給料が劇的に上がるわけでもない。責任と実務だけが青天井に増大し、実利が伴わない。おまけに「管理職は偉い」という尊敬の念まで薄れている。

これでは、現代の有能な若者たちが「管理職にだけはなりたくない」と拒絶反応を示すのも、極めて合理的な判断と言わざるを得ない。

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