この大会は、あくまでも“漫才とコントのどちらを先にやるか”をファイナリストに委ねる。前回は、1本目にコントを披露したコンビが7組中6組。唯一漫才を披露したスタミナパンのトシダタカヒデが「みんななんか、得意なコントからやってね。よくないでしょ、あんなの!」と叫んでいたのが印象的だ。
今年のファーストステージの脱落システムは、これを打破する狙いがあったのではないか。決勝のネタ順を直前で決める『M-1』の「笑神籤(えみくじ)」のようなハラハラ感ではなく、“1本目で上位に食い込むネタをやらねば”というプレッシャーから来る心理戦を促して臨場感やドラマ性を生み出そうとしたように思えてならない。
ファイナリストは、ななまがり、蛙亭、ダンビラムーチョ、TCクラクション、今夜も星が綺麗、滝音、ドンデコルテ、ビスケットブラザーズの8組。ななまがり以外はすべて初出場だ。やはりコントのイメージが強い面々は多いが、前回ほどではない。漫才師、あるいは両刀使いとして高い評価を受けるコンビが増加している。
本命はダンビラムーチョ?
そんな中、注目したいのがダンビラムーチョの大原優一と原田フニャオだ。コンビ結成16年目。23年に『M-1』決勝8位、24年に『キングオブコント(以下、KOC)』決勝6位。漫才、コント、歌ネタ、野球部あるあるなど、そもそもふたりの面白さはジャンルに収まらないものがあった。
昨年は諸事情で大会に出られなかったが、初参戦で決勝進出を果たすあたりに地肩の強さを感じさせる。準決勝では、ネタ中に緊急地震速報によるスマホのアラームが鳴り響く事態が発生したものの、うまくアドリブで対応し笑いに変えていたという。
骨太な彼らが、インパクトの強い2本をぶつけ、初のビッグタイトルを獲得することになるかもしれない。
彼らに次ぐ有力候補が、漫才のイメージが強いドンデコルテと滝音だ。
ドンデコルテは結成7年目。昨年の『M-1』準優勝を皮切りに、小橋共作と渡辺銀次は怒涛の活躍を見せている。単独ライブの配信チケットが爆売れし、渡辺が『R-1グランプリ』決勝3位となり、バラエティーやCMに引っ張りだこなうえ、デジタル写真集までヒットした。
そんな中、渡辺は「(今年は賞レースに)全部出ます」と宣言。わずかな休暇をネタ作りに当て各大会に備えているという。中年の味わいを放つ渡辺とそれを引き立てる小橋。勢いを増すふたりが頂点へと駆け上がる可能性は十分ある。

