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世界スマホ3位シャオミ、スマホ・家電・EVをつなぐ巨大エコシステムは車をどう変えるか

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シャオミの新EVブランドの広告
中国・深センで見かけたシャオミの新EVブランドの広告(写真:筆者撮影)
  • 山根 康宏 携帯電話研究家・ジャーナリスト
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一方、シャオミはスマートフォンOSとしてAndroidベースの「MIUI」を採用しており、中国外でも広くIoT家電を展開している。今後自社のEVを海外展開した場合、スマートフォン+IoT家電+EVのエコシステムの展開はファーウェイ/HIMAよりは容易だ。ただし1社でエコシステムを完結させることから、数の面では不利だろう。それでも「シャオミの製品を買えば、すべてがつながる」という利便性を世界各国で展開できれば、アップルやグーグルのエコシステムとは別の基軸として、しっかりと市場で存在感を示す存在にもなるだろう。

スマート化する自動車が何を変えるか

今後日本でもシャオミの大型白物家電が展開されれば、「スマホとつながる家電」という付加価値を理由に、買い替えのタイミングでシャオミ製品を選ぶ層は徐々に増えていくはずだ。シャオミは2025年春から国内で自社製品の展示・販売を行う直営店「シャオミストア」を増やしており、イオンモールなど若いファミリー層が休日に集まりやすい大型商業施設を中心に出店している。家電は機能面での差が少なくなり、デザインや価格が重視される時代だ。家族連れがシャオミストアで家電を手に取り、「スマホとつながる家電だから」という理由で同社製品を選択する場面は、今後少なからず増えていくだろう。

シャオミによるEVの中国外への展開は遠い先になるだろうが、数年後、あるいは10年後、自宅の家電がスマートフォンにつながるシャオミ製品で埋め尽くされていれば、自動車からそれらをコントロールできるシャオミのEVが選ばれる時代が来る可能性はある。スマートフォンのように気軽に買い替えられる製品とは違い、家電はライフスタイルが長いし、自動車の海外展開は法規制などクリアすべき問題も多い。だがそれらの障壁がクリアされれば、シャオミの家電やEVが着々と販売数を増やしそうだ。

今後日本にもシャオミの家電が多数登場する(写真:筆者撮影)

かつてiモードに象徴される日本の携帯電話産業は、世界で最も先進的との評価を受けていた。またノキアの携帯電話/スマートフォンも、一時期は世界の半分近いシェアを握る圧倒的な強さを見せていた。しかし2007年にアップルのiPhoneが登場するや、従来の携帯電話エコシステムを一気に破壊した。そのあおりを受け両者は主役の座を失い、今では歴史の一ページとして語られる存在になっている。

将来、ファーウェイのHIMAやシャオミのEVが、世界の自動車市場を席巻する存在になると考える人は現時点では皆無だろう。それでも自動車がガソリンとエンジンで動く「機械」から、モーターと電気、ネットワークで動く「スマートデバイス」へと変わりつつある以上、車の価値を決める要素として「ソフトとサービスの組み合わせ」はより重要になっていく。スマートフォンからEVにまでOSとサービスを広げるファーウェイとシャオミの動きは、たとえ直接の競合にならなくとも、EV時代の競争軸がどこに移ろうとしているのかを示すわかりやすいシグナルと見るべきだろう。

スマートデバイスメーカーによるEVを巡る動きは、時間をかけて自動車市場の構造そのものを変えていく可能性がある。両社の動きを「中国の一例」として片付けるのではなく、「OSとエコシステムが自動車産業を飲み込む」とき、その変化を前提にした戦略を持てるかどうかが、次の10年を左右するはずだ。

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