子どもが本を読み終えたとき、親はつい「面白かった?」と聞きます。
子どもが「うん」と答える。
そこで会話が終わってしまう。これは、ごく自然なやりとりです。
ただ、この一言だけでは、子どもが何を読み取り、何を考えたのかまでは見えてきません。
読んだあとに何も聞かれない子は「考える機会」を逃す
読解力を育てるうえで大切なのは、読書をテストにすることではありません。
「正しく読めたか」を親がチェックする必要もありません。むしろ大事なのは、子どもが感じたことや考えたことを、少しだけ言葉にしてみることです。
たとえば、
「その人物は、どうしてそうしたと思う?」
「自分だったら、同じことをする?」
「この話で、作者はいちばん何を伝えたかったのかな?」
こうした問いかけをするだけで、子どもは読んだ内容をもう一度たどり直します。
ただ「面白かった」で終わっていた読書が、「なぜ面白かったのか」を考える時間に変わるのです。
もちろん、子どもがすぐに上手に答えられるとは限りません。
「なんとなく」と言うこともあるでしょう。うまく説明できず、途中で黙ってしまうこともあるかもしれません。
それでもかまいません。大切なのは、読んだことを言葉にしようとする経験です。
文章を読む力は、頭の中だけで完結するものではありません。自分が何を受け取ったのかを言葉にすることで、理解は少しずつ深まっていきます。
本を読ませることだけに意識が向くと、読書は「終わったら完了」の活動になってしまいます。
けれども、本当は、本を閉じたあとにも読解は続いているのです。

