モバイルデータ調査機関Quest Mobileの報告によると、今回AIチャットの閉鎖を発表した豆包と千問はユーザー数が最も多く、3月時点の月間アクティブユーザー数(MAU)はそれぞれ3億4500万人、1億6600万人と、規制対象となる下限を大幅に上回っている。
さらに中国国家インターネット情報弁公室は4月30日夕方、「インターネットの浄化、AIアプリケーションの混乱是正」を目的とした4ヶ月間の全国的な特別キャンペーンを開始するとの通知を発表した。違反行為には、ポルノチャット、「一鍵脱衣(ワンクリックで衣類除去画像を表示)」、AI占いなどの違法なAI機能の提供が含まれる。こうした社会風俗上好ましくないサービス蔓延で中国当局も腰を上げざるをえなくなった格好だ。
インターネット大手、AIエージェントに軸足
混乱を招きかねないのが、今回中止されたチャットサービスも、最近流行しているAIエージェントサービスも中国語では「智能体」というサービス名称を使用していることだ。AIが人間の指示を待たずに自律的にタスクをこなすエージェント機能と、対話を通じて人間から指示されたタスクを一つずつこなすAIチャット機能は対極にあるのだが、AIエージェントの登場以前にチャットサービスにこの名称が使われ、混在する状況となっている。
今回中止されたチャットサービスは特定の知識データベースに基づき独自キャラクターが応答するもので、主にロールプレイや英語の個別指導、特定シナリオに基づいた文案生成などの用途に使用されている。「中学生が理解できるように中学教師が百科事典の知識を説明してください」という文言を入力するとチャットボットは中学教師の指導スタイルでさまざまな質問に答えてくれるといった具合だ。また模擬面接、性格診断、タロット占いといったサービスもあった。
アリババやテンセントなどのインターネット大手企業は最近、AIエージェントの展開に軸足を移していた。旗艦アプリにエージェント機能を追加、AIが自律的にお勧めの食事や買い物の提案を出して、OKなら注文を済ませて決済までしてくれるといったサービスで、今後はこちらの分野での競争が激化しそうな状況だ。
(財新記者:関聡、顧昭瑋)
※中国語原文の配信は7月4日

