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ライフ #難病ジストニアのリアル

〈ルポ〉体が突然、自分の意思に反して動き出す・・・「ジストニア患者」が向き合う"過酷な現実" 知られざる難病の実態

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叔父の影響でバッハに目覚めた山田さん。当時組んでいたバンドをやめ、ピアノに打ち込むようになった(写真:編集部撮影)

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長年繰り返してきた当たり前の動きが、ある日突然できなくなる。克服しようと動かせば動かすほど、症状は進行していく。
そんな悪夢のような病気がジストニアだ。脳からの指令の異常がもたらす神経疾患で、本人の意思に反して筋肉が収縮し、異常な姿勢や動きが生じる。スポーツ競技者や音楽家としての人生が断たれる、もしくは仕事を失う可能性もある深刻な病だ(疾患の詳細についてはこちら)。
医師の間での認知度も低く、そもそも診断に至っていない患者も多いとみられる。治療法も限られている。厳しい現実に、実際の患者たちはどう向き合っているのか。

脳手術を選んだ音楽家

山田力さん(60歳)はバッハ専門の音楽家・ピアニストだ。長年、生徒を指導しながら、地元・福岡のホールなどでコンサート活動を続けてきた。

違和感に襲われたのは2021年秋のこと。ピアノの演奏中、右手の薬指、次に小指、そして中指の順に丸まってしまうようになった。オクターブや和音がそろわない、連続で弾けないなど、症状は悪化していった。

おかしいと思いながらも、心当たりがあった。以前教えたジストニアの生徒と同じ症状だったからだ。指を寝かせて弾くなど工夫を重ね、指導やコンサートに臨んだ。家族や生徒には1年以上、打ち明けられなかったという。

それでも、演奏活動を続けること、症状を克服することだけは、最初から心に決めていた。「バッハは指10本でなければ弾けない。絶対に自分の演奏を取り戻そうと思っていた」(山田さん)。

現状、ジストニアの根本的な治療は脳の手術しかない。頭蓋骨にドリルで穴を開けて熱した金属の棒を挿入し、脳の深部を焼く手術だ。ろれつが回らない、言葉が出にくくなるといったリスクを伴う。成功しても以前のスピードで弾けない可能性や、再発もありうる。

家族が脳手術に反対したこともあり、ひじ部分(肘部管症候群)の手術も受けたが、改善はなかった。もはやほかの道はない。「俺、穴開けるけん」と家族を説得し、24年10月に手術に踏み切った。この分野で著名な平孝臣医師が担当した。

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