ホンダが行った市場調査では、ナビやETC車載器など、人気のオプションなどを含めた従来型N-BOXの総支払い額に対しては、「割高感を感じるユーザーもいる」という結果を得たそうだ。
そして、それらのユーザーの中には、他メーカーの競合モデルに移るユーザーも一定数いることも判明。今回、前述の9インチナビやETC2.0車載器の標準化やメーカーオプション化を行った背景には、そうしたユーザーをN-BOXに引き留める意味合いもあるだろう。
また、近年は、多くのモデルで39歳以下のユーザーが減少しており、N-BOXも同様の傾向にあり、今回のマイナーチェンジは、それら若年層を新規ユーザーとして獲得する目的もあるという。価格のお得感に加え、N-BOX全グレードで50%のシェアを誇り、最も売れ筋のN-BOXカスタムを主にテコ入れしたのもそのためだ。
ユーザーの声を反映したマイナーチェンジ
「もっと迫力や押し出し感が欲しい」といったユーザーからの声を反映し、クロームパーツを多用したフェイスデザインを採用。これも先に述べたとおり、初代や2代目のN-BOXカスタムにも通じる「オラオラ」感で原点回帰を図っている。
ホンダは、従来モデルのN-BOXカスタムについて、押し出し感よりも品格を重視することで、所有する「誇り」を感じられるデザインを目指した。だが、そうしたコンセプトは、あまりユーザーに響かなかったようだ。N-BOXに限らず、多くのカスタムモデルでは、昔から地方在住のマイルドヤンキーなどが好む「わかりやすい押し出し感(オラオラ感)」を重視してきた。
先に紹介したホンダの調査によると、この傾向は現在もあまり変わっていないようだ。新型では、そうした市場傾向を踏まえデザインを刷新。歴代N-BOXを乗り継いできたお得意様はもちろん、若い世代の新規ユーザーの獲得も狙う。
ちなみに、ホンダはN-BOXに関し、ほかにも28年にEV版を国内市場に投入することを発表しており、そちらもどんなモデルが出てくるのか気になるところだ。北米や中国でのEV事業失敗で、再構築が必須となっているホンダの4輪事業に対し、N-BOXのブランド力がどのような影響を与えるのかが注目される。
ともあれ、今やホンダ車にとどまらず、国産車全体で見ても屈指の人気モデルとなったN-BOX。その新型が、ホンダの狙いどおりに市場から幅広い支持を集め、引き続き新車販売台数トップの座を守り続けられるのかが気になるところ。軽自動車の枠を超えた存在としての真価が、改めて問われることになりそうだ。

