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ビジネス #鉄道最前線

高市首相訪問でも成果出ず「インド新幹線」の失敗 安全の要である信号システムから排除された日本

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共同記者会見に臨む高市首相とモディ首相(写真:首相官邸HP)
  • 辻村 功 技術士(機械部門)
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だが、そのBEMLも高速車両を手掛けた実績はなく、欧州に支援を求めているようで、例えば台車は欧州から輸入すると思われる。鉄道省は今年5月、本庁舎玄関にB28の完成予想画像を展示したが、車両屋の肌感覚からして、高速車両初物の製造と試運転があと1年で完了するとは思えない。

そのB28の画像については後日談がある。拙稿に掲載した画像はインドのネットニュースから拝借したので、自分の目で見ようと鉄道省の本庁舎へ行ってみた。玄関の警備員に来意を告げると「それは大臣の指示で撤去しました」と。いかにもAIを使って描いたと思われる怪しい画像だったので、大臣もストップをかけたと思われる。画像と同時にB28の主要諸元もネット上に漏れてきた。寸法から車両性能まで数値が入っているが、基本項目である重量の数値がまったくない。B28はE5系より1両当たり約10トン重くなると筆者は予想しているが、限度を超える可能性を否定できない。

車両が完成するか否かもさることながら、開業するには車両基地が完成していなければならない。全線に3カ所建設されている車両基地は、もともとE5系のメンテナンスを前提に計画されており共用できる部分は限られる。E5系は登場後15年以上経過、部分開業時はインド製高速車両の投入が決まり、今のところ日本製高速車両は次世代新幹線E10系として、2030年代初頭に東北新幹線とMAHSRに同時投入するというシナリオになっている。しかし、新幹線の車両と信号システムは不可分であり、欧州のETCS-L2で走らせることはできないので、車両についても日本は排除される運命にあると言える。

インド鉄道省本庁舎玄関に展示されたB28の画像(写真:Free Press Journal)
【写真を見る】高市首相訪問でも成果出ず「インド新幹線」の失敗 安全の要である信号システムから排除された日本(10枚)

幻に終わるインドの新幹線

2025年8月末モディ首相が来日、東京駅でインド人研修生に面会、石破茂首相(当時)と仙台までE5系のグランクラスや運転台に試乗した。

日印首脳会談の成果として共同声明が公表され、そこには「日本式信号によって走行するE10系新幹線」「日本式信号をはじめとする信号の早期の敷設」と明記されており、日本製の車両や信号システムの導入について釘を刺したことになる。

しかし、調達が進む欧州式信号との関係には言及していない。結局、この共同声明は有名無実となり、インド側は日本式信号システムの不採用を正式決定し、日本側から提案した検測車両などの無償提供も不要と断ってきた。

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