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ビジネス #鉄道最前線

高市首相訪問でも成果出ず「インド新幹線」の失敗 安全の要である信号システムから排除された日本

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共同記者会見に臨む高市首相とモディ首相(写真:首相官邸HP)
  • 辻村 功 技術士(機械部門)
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もともと車両は東北新幹線E5系をベースに設計変更するはずだった。その運転を支える信号システムも、東北新幹線のDS-ATCがベースである。インドでは鉄道車両の調達は国際競争入札が原則であるが、E5系の車両メーカーは日本の2社しか存在しない。したがって、調達は随意契約のような形にならざるを得ず、見積価格がインド側の想定から乖離して進展が滞ってきた。

信号通信については同様の事情のほかに、インド側が求める国際規格との整合性や第三者認証の可否などがネックとなり進展しなかった。このように高速鉄道の顔である車両と、安全の要となる信号が宙に浮いた状態で推移してきた。

MAHSRの路線概要(地図・データ:NHSRCL)
もともとベースとされていた東北新幹線E5系(筆者撮影)

車両に関するインド側の方針転換

MAHSRを起工した2017年の段階では、インドの長距離列車は全て機関車が客車を牽引する動力集中方式だった。その中には最高速度が時速160km対応のものもあったが、最高速度が時速300kmを超える領域になるとブレーキの制約から動力集中方式は難しく、日本の新幹線のような動力分散方式とする必要がある。MAHSRはまずE5系ベースの日本製高速車両で開業し、その後に“Make in India(メイク・イン・インディア)”の方針に則り、日本から高速車両製造の技術移転を受け、段階的に高速車両の国産化を図っていく計画だった。かつてメトロの車両は韓国から技術移転を受けたが、高速車両は日本から技術移転を受けるシナリオである。

その後、広軌在来線の長距離列車用に動力分散方式の準高速車両(営業最高時速160km)が開発され、「Vande Bharat Express(ヴァンデ・バーラト・エクスプレス)」と命名された。ヴァンデ・バーラトとはインドへの敬礼といった意味である。チェンナイにある鉄道省系の車両メーカーICF製で、最初はなかなか量産体制に入らなかったが、ここ3~4年で爆発的に量産され、インド全国で運行されるようになった。実際に乗車してみるとかなり安普請の車両で、時速130km以上で走行することはほとんどなく、これをベースに高速車両を開発するのは無理があると思う。しかし、インド側はこれを実績と見なして高速車両を自主開発する方向に方針転換した。

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