ここで、多くの保護者の方が誤解しやすいポイントがあります。「じゃあ質問をたくさんすればいいんですね」と受け取られるパターンです。
「今日どうだった?」「最近何かあった?」といった一言での質問は、記述力を鍛える会話としては、ほぼ機能しません。
なぜかというと、これらの質問は答えの範囲があまりに広すぎて、子どもが何を答えればいいか分からないからです。
「どうだった?」と聞かれて、「うん、まあ普通」で終わってしまう。これは子どもが無愛想なのではなく、質問が広すぎて答えを絞り込めないだけなのです。
子どもに限らず、大人でも、初対面の人にいきなり「最近どう?」と聞かれたら困りますよね。記述問題が苦手な子が固まる現象と、実は同じ構造です。
記述に強くなる「芋づる式会話法」
記述問題も、実は同じです。「明治維新について論じなさい」という漠然とした問いには、大人でも手が止まります。
良い記述問題は、必ず「切り口」が指定されています。「明治維新の経済政策について、殖産興業を中心に説明せよ」といった具合です。切り口が定まってはじめて、書き手は答えを組み立てられるのです。
つまり、家庭での質問も「切り口」を与える形にする必要があります。では、記述力を鍛える家庭ではどんな質問をしているのか。
私が観察してきた限り、共通するのは“一つのキーワードから、芋づる式に会話を広げていく”という型です。「芋づる式会話法」ですね。

