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キャリア・教育

"不登校の子→登校に導く"二重三重の工夫、通信制ではなく文科省認定「学びの多様化学校」あえて選んだ中学校の考え方

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東京みらい中学校
東京都足立区にある東京みらい中学校(写真:筆者撮影)
  • 前屋 毅 フリージャーナリスト
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「今まで不登校については、学校に来ない子どもたちが悪いという発想でした。そうではなくて、『学校が悪い』という発想から始めれば、学校がやれることはたくさんあります」

ちなみに、定野氏は元足立区教育長だった。教育長経験者から「発想の転換の必要性」を聞くのは意外な気がしないでもない。

定野氏から「玄関で気づきませんでしたか」と聞かれたのだが、筆者はあいにく注意力散漫で気づかなかった。あらためて確認してみると、そこには多くの公立中学校とは違う風景が広がっていた。逆に言えば、普通の学校にはあるものが、そこにはない。

いわゆる「下駄箱」がないのだ。公立中学校では、登校してきた生徒は玄関で靴を脱いで下駄箱に入れ、上履きに履き替えて教室にはいる。しかし、みらい中学では、土足のまま教室にはいっていける。

「下駄箱というのは、上履きが盗られたり、おかしな手紙が投げ込まれたりと、トラブルの原因になることも多い場所です。それなら、最初から置かないほうがいいのです」

上履きに名前を書かせたり、誰が盗ったのかと犯人捜しに一生懸命にならなければならないこともある。そういうことをするくらいなら、原因となる下駄箱をなくしてしまえばいいのだ。まさに、発想の転換である。

下駄箱の代わりに置かれているのは本棚で、たくさんの本が並んでいる。そして椅子も置かれていて、玄関ホールは気軽に本を手に取ってくつろげるスペースになっている。

玄関だけでなく、同じようなスペースが各階の廊下にもあり、生徒が本を手にリラックスできるようになっている。その本の数は全部で7400冊を超えているという。学校のエントランスや廊下が、監視されるところから、リラックスする場に変わる。そうしたちょっとしたことも、生徒が学校に行きたいと思えるようにするための配慮である。

本を手に取ってくつろげるようにと、東京みらい中学には全部で7400冊を超える本が置かれている(写真:筆者撮影)

始業時間を8時30分→9時30分にした深い理由

みらい中学の始業時間は、午前9時30分である。公立中学の始業時間8時30分にくらべれば、1時間遅いことになる。

同じ登校時間だと、他校の生徒と顔を合わせる可能性も高くなる。中には、不登校になった小学校時代の知り合いもいるはずだ。

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