逆にいえば、話さない状態というのは、換気扇を止めた部屋で、ずっと同じ空気を吸い続けている状態です。空気が悪くなっていること自体には、すぐには気づきません。でも、気づいたときには、
「なんか息苦しい」
「頭が重い」
「考えが堂々巡りしている」
という感覚が強くなっています。
「感じ方」の普通がわからなくなる
他人と話していると、私たちは無意識のうちに、とても大事なことをしています。それが「基準合わせ」です。たとえば何気ない会話の中で、
「それ、みんなそうだよ」
「いや、それはさすがに違くない?」
といった言葉を聞くことがあります。このやり取りは単なる相づちのようでいて、実は重要な「基準合わせ」の核といえるものです。「自分の感じ方はズレていないらしい」。あるいは、「これは修正したほうがいいことなんだ」という確認をしているのです。
人間は社会的な生き物ですから、自分1人だけで生きているわけではありません。感情も、価値観も、実はかなり他人とのやり取りの中で調整されています。ところが、「めんどくさい」を理由に人と話す機会が減っていくと、この基準合わせが起きなくなります。
・何か行動を変えないといけない状況なのか
・我慢が足りないのか
・逆に、無理をしすぎているのか
その判断材料が、どんどん消えていくのです。

