注目したいのは、この2つのグループの間で、赤ちゃんの体重増加に統計的な有意差が認められなかったという点です。つまり、週およそ0.5kgというペースを守れば、授乳中の女性が体重を落としても、赤ちゃんの発育に影響しないことが示されたのです。
ダイエットの「優先度」を下げざるを得ない局面
週0.5kgという数字は、一見地味に映るかもしれません。けれどこのペースを守ることには、大きな意味があります。
過度な食事制限は筋肉を分解し、基礎代謝を下げてしまうリスクがあります。さらに産後の体はホルモンバランスが大きく揺れ動いているため、急激な制限はストレス反応を強め、かえって体脂肪を蓄えやすい方向に働くことさえあります。
ゆっくり確実に進めるという戦略こそが、長期的には一番賢い選択になるのです。
この考え方は、産後に限った話ではありません。仕事の繁忙期、介護が重なる時期、体調が優れない時期など、人生にはダイエットの優先度を下げざるを得ない局面が必ずやってきます。そのような時期に、さらに厳しいルールを自分に課すことはストレスを増幅させ、食行動の乱れを招きやすくなります。
そこで「現状維持」「これ以上増やさない」を目標に切り替えるだけでも、心理的な負担はぐっと軽くなります。
自分の体の状況を正直に見つめ、今できる範囲で丁寧に関わっていく。その姿勢こそが、長続きするダイエットの土台になっていきます。


