しかし、その前提条件がそもそも間違っているとしたら?
新刊『RETIRE SHIFT(リタイア・シフト) 人生100年時代の引退戦略』を上梓したリタイアメント・アドバイザーの山崎俊輔氏が、日本の高齢者の体力・知力の現状について解説します。
世界が羨む「元気で長生き」な日本人
日本人が長生きであることは誰もが知っている。
2025年夏に公表された厚生労働省の統計資料(「簡易生命表」)では、日本人の平均寿命を、男性81.09歳、女性87.13歳としている。
同資料には過去の平均寿命も紹介されているが、戦後すぐ(1947年)の日本人は男性50歳、女性54歳だった。
1960年には男性65歳、女性70歳まで大幅に伸長し、1970年には男性69歳、女性75歳までさらに一気に延びた。
男性75歳、女性80歳時代が到来するのは1985年のことだが、そこからさらに5年以上の「長生き」を日本人は獲得して現在に至っている。
男性81歳、女性87歳という平均寿命は世界的に見てトップクラスである。同水準にある国は香港、スウェーデンなど限られる。
特に女性の平均寿命は世界1位を40年連続して獲得していることがたびたびニュースにもなるほどだ。
乳幼児死亡率の低下、国民皆保険の仕組みによる医療に誰でもかかれる環境の整備、企業内での定期健康診断などによる早期発見・早期治療の努力などが、大きく実を結んだわけだが、日本人はただ長生きになっただけではない。
「元気で、長生き」であるところに大きな特徴がある。


