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技術力は世界一なのになぜ儲からない? 10兆円規模の美容産業を国策で牽引する「J-Beauty」戦略の全貌

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化粧品売り場
中国や韓国のメーカーに押され気味となっている日本の美容業界。復活の芽はどこに?(写真:ロイター/アフロ)
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そして、それを支えるものとして、輸出相手国や輸出品目別向けに輸出戦略を作り、課題を整理したのです。その結果、2014年には日本の農水産物の輸出額は6117億円まで伸び、25年には1.7兆円を超えるに至っています。

そして、金子容三内閣府大臣政務官に事務局長に就任してもらいました。金子さんは昨年、「一般社団法人J-Beauty海外展開推進協会」の顧問に就任し、この問題に積極的に取り組んでいます。今年5月に政府に出した提言文書の作成を頑張ってくれたのも金子さんです。

高い品質が国際競争で埋もれかねない

――提言書の内容はどのようなものですか。

まずは国際環境の変化を認識しなければならないという点です。さきほどお話ししたように、美容産業を国家戦略として位置づけた中国や韓国の伸びは著しく、積極的に海外展開を行っています。すでに韓国は化粧品輸出額が1.8兆円と、美容大国となりました。

そのきっかけが、12年の化粧品法改正です。

高い生産力を有することになったOEM(相手先ブランドによる生産)・ODM(委託側が製品の設計・デザインを行い、製造のみを受託側に依頼する形態)企業などが中核を形成し、韓流ドラマやK-POPの世界的ヒットとともに、SNSやECを通じてデジタルマーケットを展開する販売網という相乗効果が、国際競争力を大きく高めました。

そして、韓国政府は昨年11月に「K-Beauty輸出成果拡大策」を発表。国家的な取り組みで美容産業を支援していくことを決定しました。

一方、日本における化粧品分野の研究開発や技術力は世界最高水準です。とりわけIFSCC(国際化粧品技術者会連盟)の受賞数は、1970年以降ずっと世界1位を維持しています。また、ネイル産業でも民間が技能認定資格制度を作り、技術を向上させてきました。

しかしながら、日本では各業界の自助努力に依存していたため、世界市場において大々的にブランド発信を展開する力や緻密な戦略が不十分で、その優位性を十分に発揮できないでいます。このままでは、高い品質や技術を持ちながら、国際競争で埋もれてしまいかねない。

そこで業界横断的な組織を作り、国が支援する仕組みを構成していく必要が生まれました。各業界を横断的に束ね、国と連携して世界に発信していく。その戦略を作ることがわれわれの役割です。

――具体的にはどのような課題がありますか。

1つは法律的な規制です。「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」(薬機法)では、化粧品販売において数値や体験談を用いた広告が禁止されています。効能表現も56種類に限定され、商品の優位性がよく伝わらないこともある。

一方で中国や韓国の化粧品をネットで販売する場合、そのような制約をかいくぐります。薬機法では違法な販売についての取り締まりは都道府県が担うことになっていますが、残念なことに都道府県には強い執行力がありません。ここはやはり国が出ていかなくてはならないと思います。

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