日本企業のイントレプレナーは意外に多い?
守屋:田久保さんは『イントレプレナーの教科書』の監修をされていますが、経済産業省の調査では、2020年以降、創業者数は減少傾向にあるそうです。逆に、社内で起業するイントレプレナーの数は増えているのでしょうか。
田久保:対外的に発表されないので明確な統計はないのですが、そういう動きは間違いなくあると思います。どの国でもGDPが上がるほど経済が成熟して閉塞感が広がる中、「今のままではダメだ」という認識を持ち、新規事業を支援する制度や関連部署をつくる会社が増えていますから。
守屋:日本企業のイントレプレナーによる大きな成功例にはどんなものがありますか。
田久保:いわゆるJTC(伝統的な日本企業)でも、新規事業を起点に成功した例はたくさんあります。古くは、ソニーのプレイステーションで、テレビやオーディオからゲーム事業に進出しました。リクルートにはRingという有名な新規事業提案制度があって、そこからスタディサプリなどが生まれています。最近で言うと、トヨタの車のサブスクサービスのKINTOもそうです。世の中ではよく「日本人にはアントレプレナーシップがない」とか「新規事業をつくれない」とか言われますが、視点を変えれば、祖業とは全然違う新規事業で大きくなった会社はたくさんあります。
守屋:イントレプレナーが成功しやすい社風、逆に成功しにくい社風はあるのでしょうか。


