有料会員登録 東洋経済オンラインとは
キャリア・教育

「乱世とは志高く新しいものを生み出せる時代である」守屋淳×田久保善彦対談(前編)明治実業家に学ぶ変化の乗り越え方

9分で読める
今以上の乱世を生き抜いた明治の実業家から何を学ぶべきか。守屋淳氏と田久保善彦氏が語り合った(撮影:尾形文繁)
2/4 PAGES
3/4 PAGES
4/4 PAGES

守屋:この本で取り上げた実業家の中で、ビジネスをうまく発展させた象徴が三菱、三井、住友、森村財閥です。三菱は突然の代替わりで、弟の岩崎弥之助や周囲の幹部が頑張ったから発展しました。逆に、早めの代替わりを徹底させていたのが住友で、伊庭貞剛は「事業の発達に最も害するものは、青年の過失ではなくて、老人の跋扈である」と言って、57歳で引退してしまうのです。ここは高齢の経営者にぜひ読んでいただきたい部分です。若い人たちを評価して、次の時代を作るのは君たちだという気持ちをどこまで持てるか。それは、自分は死ぬ直前まで成長し続けたいという気持ちと相反するところがあるので、そのバランスの取り方の問題になりますよね。

守屋淳。作家。1965年東京生まれ、早稲田大学第一文学部卒業。『論語』『孫子』『韓非子』『老子』『荘子』『貞観政要』などの中国古典の教えを現代にどう活かすか、また実際にそれらを活かして成果をあげた歴史上の人物を専門とする。2018年4~9月トロント大学倫理研究センター客員研究員。グロービス経営大学院アルムナイスクール特任教授。著訳書に、『現代語訳 論語と算盤』(70万部超)、『「論語」がかわれば日本がわかる』(以上、ちくま新書)、『詳解全訳 論語と算盤』『(訳・注解、筑摩書房)、『最高の戦略教科書 孫子』(20万部)、『勝負師の条件』(以上、日本経済新聞出版)、『組織と権力の教科書 韓非子』(日経ビジネス人文庫)などがある(撮影:尾形文繁)

本人の自覚と周囲から見た感覚が乖離することも

田久保:いわゆる老害を防ぐうえで、定年制は割と良いルールではないかと最近、思っています。定年を見据えて準備もできるし、誰かに後ろ指を指されることもなく終われますよね。

守屋:その一方で、後継者がルールを守るとは限らないという問題も出てきます。ある企業では、社長が親会社も子会社も例外なく、社長や役員の定年制を導入したのですが、その後継者が定年を超えても居座り続けてしまい、他の人の定年もすべてなし崩しという例があったりします。個人としてのすごさは、本人の自覚と周囲から見た感覚はどんどん乖離するので、それを誰かが知らせてあげないといけないのですが、なかなかできない。これはつくづく根の深い問題だと思います。

(構成:渡部典子)

8月25日(火)に『明治実業家の知識・見識・胆識』『イントレプレナーの教科書』の刊行記念トークイベントを開催します。詳しくはこちらをご覧ください

こちらの記事もおすすめ

あなたにおすすめ

キャリア・教育

人気記事 HOT

※過去1ヶ月以内に配信した記事の閲覧数