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タイで復活、元JR東日本「キハ40系」の意外な使い道 「観光列車」ではなく都心にも乗り入れない事情

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キハ40 タイ国鉄
タイ・バンコク近郊で運行を開始した元JR東日本のキハ40系気動車(筆者撮影)
  • 高木 聡 アジアン鉄道ライター
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「次はタマサート大学、タマサート大学ランシットキャンパス下車駅です」と、これまた丁寧な車内放送が入る。その通り、タイを代表する国立大学であるタマサート大学の最寄り駅だ。だが駅前は草っぱらで、キャンパスまでは15分程度歩く必要がある。

鉄道の本数が少ないこともあり、現状では駅を利用している学生は少ないものと思われるが、ダークレッドラインのランシットからタマサート大学まで約8kmの延伸が政府に承認され、5月に建設契約が結ばれた。ライトレッドラインの延伸と合わせてまもなく着工し、2029年頃の開業を目指す。

キハ40系の運行は、レッドライン延伸開業に向けた仕込みとも言えそうだ。その点では、キハ40系はショートリリーフとしての運行になるのか、レッドラインの延伸後は区間短縮など運行体制が変わるのかも注目される。

ドンムアンからぴったり1時間、定刻通り7時10分にアユタヤ着。ちょうど上りのロップブリー発フアランポーン行き普通列車が到着したところだった。非冷房の気動車で立ち客が出るほど混みあっており、アユタヤからもさらに乗り込む人が見られた。

まだ物珍しいのか乗務員たちも記念撮影(筆者撮影)
【写真をもっと見る】タイで復活した元JR東日本のキハ40系気動車は「通勤列車」として運行中。秋田地区で活躍していた時代を思わせるデザインや車内各部に残る日本語の表示など「日本の面影」を残しながら活躍する姿

使える車両は20両中6両

キハ40系は折り返し7時30分発でドンムアンに戻る。ロップブリー発普通列車の20分後ということもあり、乗車する人はまばらだった。

乗客が少ないのは運賃の問題もある。一般の普通列車が都心まで10バーツ(約50円)前後で到達できるのに対し、キハ40系は50バーツ(約250円)。さらに、レッドラインに乗り継げばその分の運賃も加算される。いくら快適とはいえ、日々の利用で5倍以上の運賃は負担が大きい。

上りのドンムアン行きは途中駅からもわずかながら乗車があったが、3両編成で30人前後の利用だった。乗客はいかにもバンコクのオフィスで働いていそうな身なりの人々である。ランシットでほぼ全員が下車し、レッドラインの始発列車に乗り換えていった。

現在、キハ40は譲渡された20両に対し、整備が完了し、運行可能な車両は6両にすぎない。今後、さらに車両を増やし、運行本数を増やせるかは、比較的経済的に余裕のある新規旅客の獲得が肝になりそうだ。

この記事の後編(7/4公開予定)では、タイ国鉄の中古車両導入のキーパーソンにキハ40系導入の経緯をインタビューします。
【写真を見る】タイで復活、元JR東日本「キハ40系」の意外な使い道 「観光列車」ではなく都心にも乗り入れない事情(22枚)
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