キハ40系の列車は普通列車ながら、「スペシャルコミューター」という特別な種別となっており、乗車券の購入には身分証明書(外国人の場合はパスポート)の提示が必要で、特急列車などと同じ扱いになっている。よって、チケットには氏名が記載され、QRコードを読み取るとパスポート番号も表示されてしまう。
ホームに上がると、時刻通りにキハ40系が滑りこんできた。朝イチのこの列車は複々線のレッドラインの内側線経由で都心側のフアランポーンから回送で送り込まれてくる。在来線のフアランポーンからバンスーまでの間はホームの高床化を実施していないことから、営業運転はできないという。
アクセスに難のある一番列車だが、この日は、アユタヤ観光へ向かう地元のおばちゃんたちで賑わっており、キハ40系の入線に合わせて、皆がスマホを向けた。通勤列車とは言いつつ観光需要も拾っている。とはいえ、乗車してしまえば、1人1ボックスでも空きができるほどの乗車率である。
「スペシャル」な通勤列車
朝日を浴びながら、レッドラインと並行する高架線を進む。スペシャルコミューターを名乗るだけあって、日本時代より強化された冷房はキハ40系とは思えないほどキンキンに冷えており、さらに車内放送が徹底されている。従来、タイの普通列車では車内放送自体がほとんど行われていない中、肉声での英語放送まであるから驚きだ。以前のフィーダー列車と比べると、快適性は圧倒的に高くなっている。
しかし、ランシットを過ぎれば沿線は一面に田畑が広がり、SRTの線路が国道や市街地から離れたところを通っていることもあるが、終点のアユタヤ以外に大きな駅はない。停留所と呼ぶのがしっくりするような小駅が続き、利用者を増やすには苦労すると思われる。

