「伯耆原(ほうきばら)さんとお呼びするんですね! 素敵なお名前ですけど、どちらのご出身ですか?」
思いがけないフランクな第一声に、いい意味で拍子抜けした。だが、驚いたのはそれだけではなかった。
井上院長は、デスク上のワイヤレスキーボードをヒョイっと自身の膝の上に乗せ、体ごと100%こちらに向けたのである。そして、私の目を真っすぐに見つめながらゆっくりと相づちを打ち、症状の一つひとつに耳を傾けてくれた。
「お話を聴く限り、心臓に大きな問題があるとは考えにくいですが、安心するためにも、まずは心電図と血液検査、胸部レントゲンの検査をしてみましょう」
最初から原因を見抜いているかのような井上院長。一方、病の恐怖におののく私は「徹底的に調べたい」と、さらなる追加検査「心エコー(心臓超音波検査)」と「24時間ホルター心電図」までお願いした。
心臓病の有無をスピーディに調べる検査体制
心電図、採血、レントゲン、心エコーとスピーディに検査が進められ、40分ほどで終了。さらに検査結果も即日出るという。
とくに心エコーは、大学病院や総合病院であれば「では、来週以降の予約で」と言われることも少なくない。だが、複数人の臨床検査技師と、心エコー機器が2機そろう同クリニックでは即日検査ができた。心臓に不安を抱える者にとって、すぐその場で精密な検査が受けられることは、何よりの精神安定剤となった。
ドギマギしながら再び診察室へ向かうと、ドアを開けるや否や、「まったく問題なかったですよ!」と、井上院長の明るい声。そして、検査データや画像を見ながら、心臓の状態を論理的に解説してくれた。

