「工科高校の学びは、生徒の将来の職業に結び付くため、多くの都立工科高校でキャリア教育として生徒の適性に応じたインターンシップや長期就業訓練を行うデュアルシステムを導入しています。例えば、大工さんになるには、木工などの施工技術以外にも契約や工程管理など、知っておくべきことはたくさんあります。学校によっては、インターンシップの受け入れ企業を募集すると、地元の企業から『ぜひ』と希望が殺到し、時にはお断りしなければならないほどである、と聞いています」
インターンシップの期間はおおむね2〜3日で、長くても1週間ほど。一部の都立工科高校には、学校と企業が協力して生徒を育成するデュアルシステム科もある。ここではインターンシップよりも長い時間をかけて、企業でより実践的な技術や能力を身に付ける。企業と生徒の合意があれば、卒業後にその企業に就職することもできるのだ。
都立工科高校への求人は少数精鋭で質の高いものづくりをする町工場はもちろん、製造業、大手ゼネコン、大手自動車会社など幅広い。募集職種も技能職だけでなく、大手ゼネコンの技術職や施工管理、大手自動車の開発職など多岐にわたる。
「以前から都立工科高校の生徒を採用してくれる大手建設会社はありました。採用職種も施工管理者などの技術職や技能職など幅広く、専門学校卒や大学卒と同等の仕事をしている方や、経営者になった方もいらっしゃいます」(山本氏)

求人倍率、高校全体は4.1倍「工業高校は31.9倍」
工業高校に対する期待は、東京都に限らず全国的に高まっている。2025年3月卒の求人倍率は、高校全体が4.1倍なのに対し、工業高校は31.9倍と大きな開きがある(全国工業高等学校長協会「卒業者等に関わる状況調査」)。
ちなみに、25年3月卒の大卒求人倍率は1.75倍だった(リクルートワークス研究所「大卒求人倍率調査」)。

