Jアラートが鳴ったら避難所に行き、しゃがんで頭を抱える、という素朴な訓練方法に疑問を持たない人は、おそらく先の戦争中の空襲警報と防空壕への退避をイメージしているのでしょう。しかし、建物ごと破壊できる実際のミサイル兵器の破壊力や、爆発が生み出す衝撃波について、日本政府は国民に知らせようとしていません。
それは、なぜでしょうか。
政府は戦争を「甘く見る」空気を創り出そうとしているように見える
日本政府が、ミサイル攻撃から日本国民を守る術(すべ)を持たないという事実も、同時に明らかになってしまうからです。それゆえ、政府は形式的なミサイル避難訓練を各地で行わせることで、住民が正しい行動をとればミサイル兵器を「恐れる必要はない」かのような、ミサイルおよび戦争を「甘く見る」空気を創り出そうとしているようにも見えます。
先の戦争末期、アメリカ軍のB29爆撃機は日本各地に大量の焼夷弾を投下しましたが、当時の日本政府は、ガソリンをゼリー状にした焼夷弾の火は「水をかけても消せない」という事実を知っていながら、国民には「逃げずにバケツの水で消せ」と命じ、消火活動に当たらせました。本当のことを伝えると、国民の戦意が低下して、政府への不信感と戦争への絶望感が広がる可能性があったからです。
その結果、本来なら助かったはずの多くの市民が、焼夷弾の効果を甘く見て、政府の言うことを信じて消火作業に従事し、逃げ遅れて焼け死ぬことになりました。

