具体的には、まずJアラート(有事関連情報だけでなく地震や津波、気象情報なども含む「全国瞬時警報システム」の通称、2007年2月に運用開始)の警報と共に「ミサイル発射情報」を防災無線などで住民に伝達し、それを聞いた住民が指定された公民館や小学校へと「避難」して、そこで一緒に「身を守る姿勢」をとる、というものでした。
畑での農作業中などの理由で避難場所へ行けない人は、その場所で「身を守る姿勢」をとることが推奨されました。しかし、この「身を守る姿勢」とは何かと言えば、しゃがんで両手で頭を覆う、ただそれだけでした。
確かに、何らかの爆発が周辺で起きた時、無防備に直立している場合よりも、しゃがんで頭を抱えている方が、爆風や衝撃波による「即死や怪我の可能性」は減らせます。しかし、そもそもミサイルの着弾とはどんなものなのか、実際に起きればどれほどの被害が生じるのかについて、政府が国民に詳しく説明したことは一度もありません。
現代のミサイルが着弾したらどうなるのか
2022年2月に始まったロシア軍のウクライナ侵攻において、ロシア軍のミサイルがウクライナの都市に着弾する様子を捉えた動画が、メディアでも大きく報じられました。ロイター通信は、同年3月1日にウクライナ第二の都市ハルキウの地方庁舎にロシア軍のミサイルが着弾した瞬間の監視カメラ映像をネットで報じましたが、午前8時1分50〜51秒にはいつもと変わらず付近の道路を自動車が走っていたところ、52秒に突然建物全体が炎に包まれて大爆発を起こし、周辺は灰色の爆煙に包まれました。
現代のミサイルは、音速を超える速さで飛来するので、何の前兆もないまま、着弾と大爆発がいきなり発生します。高価なミサイルは、先の戦争中の焼夷弾のように闇雲にばらまかれることはなく、目標になるのは重要と見なされる施設だけです。直撃を受けた建物内にいた人は、何が起こったのかわからないまま即死する可能性が高いと考えられます。

