百軒店の一番奥に千代田稲荷神社が建つ。
千代田稲荷神社は、もともと江戸城の中にあったが、巡り巡ってこの渋谷の丘の上に引っ越してきた。なぜ「千代田稲荷神社」という名前なのであろうか—— ?
実は江戸城は千代田城という別称があり、それにちなんでいる。宮番のお母さんが教えてくれた。
カメラに収まってくれたのは宮番のお母さん。
60年前の1965年頃に百軒店に移ってきたという。戦後の“細木数子がいた時代”と、サブカルチャー的な場所に移り変わったあいだの頃だ。
1968年の西武百貨店オープンにより、渋谷の文化は一気に開花する。当時は百軒店のお店同士の助け合いが色濃かったが……と少し残念がっていた。
しかし先ほど訪ねた中華麺店 喜楽。店員は、料理を取りに来たフードデリバリーのスタッフへの心配りとして飴を渡していた。伝統はいまも息づいているようだ—— 。
渋谷は3重に魔法がかかった町
果たして渋谷はつまらなくなったのか——?
確かに駅前の均質化は進みつつある。しかし世界に例を見ない谷底都市・渋谷には、開発が入らない坂道や路地が豊富に残されている。道に迷うたびに意外な発見があるのだ。
・多様性を生む谷底の地形
・戦後再開発の頓挫
・文化の魔術師=西武の降臨
渋谷は3重に魔法がかかった町だった。つまらなくなったなどと簡単に言わせない底力が、この町にはある。ぜひ実際に歩いてそれを感じ取って頂きたい。
参照資料:岸由二『「流域地図」の作り方——川から地球を考える』筑摩書房(ちくまプリマー新書205)
参照資料:越澤明『東京都市計画の遺産: 防災・復興・オリンピック 』筑摩書房(ちくま新書1094)

