高市早苗首相が6月22日の衆院予算委員会で、飲食料品の消費税減税を「実行されてから2年後には元に戻す」と発言したことが物議をかもしている。
飲食料品の消費税減税が、給付付き税額控除の実施までの2年間に限定した“つなぎ”と位置付けているためだが、野党からは「2年後に大増税になる」「2年後に低所得者層の負担が大きくなり、つなぎにならない」などと反発が強まっている。
すでに専門家からは、期限付きの消費税減税を実施しても期待されるほど物価が下がらない可能性や、一時的な値下げにとどまって再び上昇する可能性が高いと指摘されており、「2年後に大増税」という野党の懸念はもっともといえる。
大きな理由としては、減税によって税負担が軽くなる分、これまで企業が我慢していたコスト増の価格転嫁をこのタイミングで進めることが推測されるからだ。現在の物価高の主因は、円安による輸入物価の上昇や海外の原材料費高騰にある。この根本的な原因が解消されない限り、物価上昇の圧力は続くことは想像にかたくない。
また、期限付き減税は、終了間際までの駆け込み需要が期待される一方で、その後に劇的な消費の冷え込みを招く可能性がある。2年後に元の8%に戻す際、政府が「元に戻すだけ」と説明しても、市場がすんなりと思惑通りに動くとはとても思えない。
加えて、企業には二重のシステムコストが発生する。小売業やメーカーは、「減税時(8%→1%)」と「2年後の増税時(1%→8%)」の都合2回、レジや会計システムの改修を迫られる。この事務負担やコストは最終的に価格に転嫁される恐れがあり、減税の効果を相殺するかもしれない。
新たな分断の火種となり得る「給付付き税額控除」
そして、実のところ、最も憂慮すべきなのは、“つなぎ”とされた消費税減税の次に実施される給付付き税額控除なのである。社会保障国民会議の実務者会議で示されたイメージでは、「中低所得の勤労世代」が支援対象の中心とされている。だが、これは新たな分断の火種となる可能性があり、その仕組みの偏りゆえに不平・不満の温床になりかねない。
給付付き税額控除は、税金から一定額を差し引く「税額控除」と、引ききれなかった分を現金として受け取れる「現金給付」を組み合わせた制度だ。例えば、納税額が少ない層は、税金を引いた上で、まだ控除枠が余っていればその分が現金で支給される。非課税世帯・所得が低い層は、そもそも引くべき税金がないため、控除枠の全額(または一定の基準額)がそのまま現金として給付される。

