また、影山の語りにはサッカー選手への純粋な敬意がある。サッカーに詳しいタレントが陥りがちなのは、感情的になって選手や監督を責めたり、批判したりしてしまうことだ。しかし、影山はどんなときでもプレーヤーへの敬意を忘れていない。常にポジティブな姿勢でサッカーの魅力を伝えようとしている。
試合前には明るく期待感を高め、試合中にはサポーターと同じように一喜一憂し、試合後には選手への敬意を忘れない。理性的な分析と素直な感情表現を両立させている。このバランス感覚が絶妙なのだ。
高度な分析を行う解説者やジャーナリストはほかにもたくさんいる。感情をあらわにして熱烈に応援するタレントも大勢いる。しかし、専門家に近い知識を持ちながら、初心者の気持ちも忘れず、さらに現地の空気を伝えられる人物はほとんどいない。影山は「詳しい」「わかりやすい」「親しみやすい」「現場で動ける」という要素を兼ね備えているのだ。
SNS時代にマッチしたスタイル
近年のスポーツ中継では、試合を見るだけでなく、SNSで感想や分析を共有する楽しみが大きくなっている。視聴者は詳しい解説を求める一方で、上から目線で考えを押し付けられることは好まない。影山の語りは、先生が正解を教えるというよりも、隣で一緒に試合を見ながら「ここに注目すると面白いよ」と優しく教えてくれる感覚に近い。その距離感がSNS時代のメディア環境にも合っている。
サッカーを知っているだけでは、優れたサッカータレントにはなれない。その知識を誰にどのように伝えるのかまで考え、さらに現場では情報を集めて届ける。それができて初めて、サッカータレントとして固有の価値を持つ存在となる。
圧倒的なサッカー愛、地道な研究に裏付けられた分析力、難しいことを楽しく伝える表現力、そして現地で動ける取材力。影山優佳が芸能界No.1のサッカータレントである理由は、そのすべてを高い次元で兼ね備えていることにある。彼女は長年培った知識をメディアで伝わる形に翻訳することで、サッカーに詳しい人と詳しくない人の間の架け橋となっているのだ。

