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中国で「低空経済のスター企業」と持て囃されてきた億航智能(イーハン)の経営が失速している。同社は「空飛ぶクルマ」と呼ばれる電動垂直離着陸機(eVTOL)の生産・販売を手がけ、主力機種「EH216」シリーズの2025年の年間納入機数は215機に達していた。
ところが、イーハンが6月9日に発表した26年1~3月期の決算によれば、同四半期のEH216の納入機数はわずか4機にとどまった。これは前年同期(11機)の半分未満、直前の25年10~12月期(95機)と比べると23分の1未満という少なさだ。
1~3月期の納入機数激減には特殊要因もある。EH216の販売先のほとんどは、低空経済の振興を目指す地方政府の傘下の国有企業であり、会計年度の初めは予算執行が少ないからだ。とはいえ、同じ理由で納入機数が落ち込んだ前年同期よりもさらに販売が振るわなかったのは、イーハンにとって深刻な状況と言わざるを得ない。
(訳注:低空経済とは、低高度空域を飛行するeVTOLやドローン[無人機]を活用して新たな市場や産業基盤を創出するという経済的概念のこと)
EH216シリーズの標準モデルである「EH216-S」は、中国の民間航空行政を所管する中国民用航空局(民航局)から「耐空証明」を取得した、現時点で唯一のeVTOLだ。耐空証明は飛行機械の安全性について国の基準に適合しているという公的な証明であり、eVTOLの商用運航を実現するための大前提である。
民航局は23年12月に耐空証明を付与した後、25年3月にはイーハン傘下の運航会社2社が保有する6機のEH216-Sを対象に、eVTOLによる人員輸送事業を認める航空運送事業許可(AOC)を出した。これにより、EH216-Sの商用運航は秒読み段階に入ったと見られていた。
商用運航開始に大幅な遅れ
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