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東海道新幹線、意外に知らない「指令所との通信手段」 主役は列車無線だがサポート役に「新たなツール」も

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東海道・山陽新幹線 総合指令所
東海道・山陽新幹線の総合指令所。巨大な表示盤に全線の運行状況が映し出される(記者撮影)
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バディコムにはほかにもメリットがある。江村さん、伊藤さんがともに挙げたのは「テキスト送信」である。SNSのような機能だが、「音声だとやりとりの時間や、確認のために聞き直すことがありますが、テキストは画面を開いた瞬間にわかります。テキストを打つ手間があるかもしれませんが、瞬時にわかるので楽です」(江村さん)。「指令の側でも便利になったことがあって、同じ情報を複数の列車に伝えるときは、テキストを1つ作っておいてポチッと押すだけで複数の列車に伝わります。画像も送れます」(伊藤さん)。

さらに、以前は列車無線が話し中でつながらないというケースもあったが、通話の一部がバディコムで行われるようになり、列車無線の回線に余裕ができたこともメリットとして挙げられるという。

IP無線アプリ「バディコム」の画面イメージ(写真:サイエンスアーツ)

列車無線の「サポート役」に

とはいえ、バディコムも万能というわけではない。一般論として、トンネル内などネットワークの電波強度が低い場所では通話が不安定になる可能性がある。そのため、安全最優先という観点からは、主役は列車無線であり、バディコムは業務をより効率的に進めるためのサポート役と考えるのがよいだろう。なお、列車無線もバディコムも通話はすべて録音されているため、記録という面で両者に差はないという。

指令員と列車内の乗務員が力を合わせて異常事態の解決に当たり、無事に列車が到着した後に、初めて顔を合わせて「君だったのか」と、お互いに自己紹介をする。こんなハリウッド映画のラストシーンのような経験はあるかと、江村さんと伊藤さんに尋ねると、「指令と乗務員が顔を合わせることはまずありません」。

とはいえ、取材前、江村さんは伊藤さんから挨拶がわりにジュースをご馳走になったという。直接会うことはなく、通信ツールを介してしかつながらない関係だからこそ、そんなさりげない気遣いに、初めて顔を合わせた2人の特別な信頼関係が感じられた。

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