しかし、趣味でやっていた時とは違い、食べるための仕事となれば、当然、売り上げを意識しなくてはいけない。販売戦略を考える必要があると感じたequboさんが見つけたのは、趣味を仕事にしたい人向けにコンサルティングをしている戸田充広さんだった。戸田さんは『決定版! 趣味起業の教科書』(マガジンランド)などの著書もある人物。そんな戸田さんにアドバイスを求めると、まずは売り出し方を変えてみようと言われたという。
「高い」と言われるのが怖くてなかなか値段を上げられずにいたequboさんに、戸田さんはむしろ価格帯を上げるべきだと言ってきた。手描き友禅や藍染の作品がどんなに手の込んだ価値のあるものなのかをサイトやSNSなどで発信、そのうえで「販売価格を上げてみて」というアドバイスだった。
言われたとおりにやっていくと、展示会でも商品がどんどんと売れるようになっていった。発信のおかげでファンがつき始めると、価値あるものだからこそ「お金を貯めて母にプレゼントしたい」という人たちが増えていったのだった。
批判されても「産みの苦しみの一つ」
だが、SNSでの発信が多くの人の目に留まりだすと、藍染愛好家の人からは厳しい言葉も届くようになった。藍染の世界は土地や工房ごとに技法が異なる奥深い世界だ。「そのやり方は違う」「糊が染液に入ってしまうのは良くないのでは?」などの声が寄せられてしまった。
しかし、equboさんはあきらめなかった。ハワイアン友禅を始めた時も、肯定的な声ばかりではなかったからだ。長い伝統の中で受け継がれてきた世界だ。新しいことが批判を受けるのも産みの苦しみの一つだと知っていた。
染色をさせてくれた藍染の工房から出禁を言い渡されたわけでもない。自分の作品を「いいね」と思ってくれる人がきっといる。反論の声を受けたハワイアン藍染日傘も最近は、注文を開始するとわずか数日で完売となるようになってきた。

