今、equboさんの作品は3カ月待ちの状況が続く。
「一人で作っているので、大量生産ができないんです。日傘は予約注文を取っているため、今期の分はすでに完売しています」
タペストリーなど大きな作品の場合は注文から半年はかかるため、大きな作品の注文が入るとなかなか手が空かない。苦節10年。ハワイアン柄との融合のおかげで、若い世代や家族連れなど、新しい層の客を取り込むことに成功、今はハワイアン友禅や藍染の作品制作と販売で生計を立てられるようになった。
ハワイ展などの 大きなイベントに出店すれば、着物に興味がない人も、equboさんの作品を手にし、購入してくれている。
「以前は友禅の未来が見えないと感じていたのですが、あの頃の自分に今ならこう伝えられるなと。“大丈夫。あなたが選んだ道は、ちゃんと未来につながっている”」
「3代で友禅の着物づくり」——家族の夢を応援
最近では、一般の人に向けて友禅を教える活動も始めた。今取り組んでいるのは、高校生の娘の成人式に向けて「私の手で着物を作りたい」という母親からの依頼だという。依頼主はequboさんの友人で、娘は現在高校3年生。
「5年あれば振り袖を一から作れるだろうか」という相談から始まったこのプロジェクトは、当初、母だけの挑戦だった。しかし、equboさんが自宅に通い指導をするうち、同居する祖母も「手伝いたい」と声を上げ、気づけば家族総出の一大プロジェクトへと発展していった。
祖母は「友禅に花を添えたい」と日本刺繍を学び始め、振り袖に施す刺繍を担当することに。最近では、週末になると家族全員が振り袖の生地を囲んでいる。
「親子3世代で作る振り袖のように、日常の地続きにある温かい関わり方こそが、結果として次世代へ日本伝統の技を繋ぐ、今の時代に合った新しい継承のカタチになるのかもしれません」
趣味として始めた友禅。周りの人たちのお節介と優しさに支えられ、新たな作家として生まれたequboさん。 伝統工芸の世界にも、ハワイアンの世界にも、少しでも良い風を吹かせられたら——、彼女のお節介はまだ始まったばかりだ。

