同じ会場では大量生産されたハワイアン柄のバッグが2000円から3000円ほどで売られている。それでも、材料費や自分の手間賃を考えると、この金額がギリギリだった。結局、売り上げはさほど伸びないまま、展示即売会が終わるということが続いていた。
「ハワイアン×藍染」で日傘を
そんなある日、イベントで一緒になった作家に誘われ、埼玉県羽生市にある藍染の工房を訪れる機会があった。染めるものを持参するように言われており、天然素材ならなんでも大丈夫とのこと。
何を持ち込もうかと考える中、ふと目についたのがハワイアン友禅を施すために注文していた日傘キットだった。生地は綿のため、天然素材だ。藍染は絞りが主流で、手描きで模様を入れる人はほとんどいないが、せっかくならば、自分で柄をあしらって染めてみようと思いついた。彼女はさっそくハワイの花の絵を描き、藍染工房に持ち込んだ。
藍染の染液に布を浸して引き上げると、友禅同様、見事に柄が現れた。それを見た藍染の伝統工芸士から「この技法はすごいねえ」と褒められるほどの出来栄えだった。

