17日の日本市場では、米国の連邦公開市場委員会(FOMC)を前にこれまで上昇した株式に利益確定の売りが出やすくなりそうだ。円相場は今後も日本銀行の利上げペースが加速する可能性は低いとの見方が重しとなり、対ドルで160円台前半での推移が続くとみられる。一方、原油価格の下落を受けて債券には買い戻しが入りそうだ。
16日の米国株市場では金融や資本財関連などが底堅い動きとなる一方、FOMCを前にこのところ大幅に上昇してきた半導体株が軒並み売られ、フィラデルフィア半導体株指数は5%超下落した。この流れを受け、日本でも人工知能(AI)関連銘柄の比重が高い日経平均は軟調な展開となりそうだ。
半面、東証株価指数(TOPIX)は比較的底堅く推移する可能性がある。ホルムズ海峡の封鎖解除への期待を背景に原油価格が大幅に下落し、米ウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物は3カ月ぶりに1バレル=80ドルを割り込んだ。このため、不安定なエネルギー供給に悩まされてきたセクターには見直し買いが入りやすい状況だ。
外国為替市場では、中東での緊張緩和を受けてドルが全般に軟調となる中でも、円は直近の安値圏での推移となっている。日銀の内田真一副総裁は前日の金融政策決定会合後の会見で、次の利上げの時期について示唆を与えなかった。市場で利上げペースは速くても半年に一度程度にとどまるとの見方は変わらず、積極的な円買いにはつながらない公算が大きい。
一方、日銀会合後に下げ幅を拡大した債券は反発しそうだ。原油価格下落でインフレ懸念が後退している上、20年国債入札の好調を受けて米国の長期金利が低下したことも支援材料だ。
いずれも市場でも日本時間の18日早朝に予定されるFOMCの結果発表とウォーシュ新連邦準備制度理事会(FRB)議長の記者会見に対する注目度が高く、日本時間の値動きは小さくなる可能性が高そうだ。米金利先物市場で年末までの利上げが8割程度織り込まれる一方、エコノミストの予想はまだ利下げが多い。また、ウォーシュ氏はFRBの情報発信を抜本的に見直す考えを示しており、市場とのコミュニケーション手法についての発言も注目される。
(注:表中の終値は米国時間終値。円相場は対米ドル、前営業日比は円の対ドル変化率。米10年金利の前営業日比は変化幅(単位:%ポイント)。日経平均の前営業日比はシカゴ・マーカンタイル取引所清算値と大阪取引所清算値との比較。シカゴ取引所が休場の場合は大阪取引所の夜間終値と通常取引終値の比較。金は1トロイオンス当たりのドル建て価格)
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著者:佐野日出之


