コモア・ブリッジの中央に設置されたエスカレーターは、1本で上部までつながっているわけではない。4連に分かれていて、途中の踊り場で乗り換えながら進む形式だ。
また、エスカレーターは時間を限定して運行し、朝は駅へ向かう「下り」、夜は住宅地へ戻る「のぼり」となる。
エレベーターは深夜帯以外は2基とも動いているが、これだけでは混み合う可能性もある。時間を限定してエスカレーターを稼働させることで混雑が分散し、運行面でも効率がいい。
これだけ大規模な交通システムを動かし続けるには、当然ながら維持管理の費用もかかる。体制をつくり、住民が維持費を負担して、改修・修繕工事も実施してきた。コモア・ブリッジは山の上の暮らしを支える大切な交通インフラであり、今も欠かせない役割を担っている。
松田さんは現在、週2回程度利用している。
「下るときに大自然を眼下に見ながら行けるのがいいなと思いますし、のぼるときは『これでやっと我が家に帰れる』というような落ち着きがあります。オン・オフを切り替える手段になっていると思いますよ」
そんな山の上の独立したまちだからこそ、食料品や日用品を買える場所は必要だった。住宅地の中で日常の用事を済ませられるよう、暮らしを支える施設も計画的に整えられた。
山の上の暮らしを支える「まちのスーパー」
斜行エレベーターを降りた先にある「コモアプラザ」内には、まち唯一のスーパー「公正屋(こうせいや)コモアプラザ店」が入っている。
公正屋は山梨県東部を地盤にした地域密着型のスーパーで、まち開きに合わせて出店した。品ぞろえがよく、総菜や青果は、都内の価格よりも手頃に感じられる。
「元が魚屋さんなので、鮮魚もいいものが入っていますよ。店内では、小学校の体操着なども販売されていて、要望があったら取り入れてくれるので助かります」

