西村:「睡眠時間が長い子ほど成績が良い」というのは明確に感じます。関西の大手塾は拘束時間が長く、23〜24時に帰宅して翌朝6〜7時に起床するという過酷なスケジュールの子が多い。一方、関東では最近「睡眠の重要性」を理解する親御さんが増えてきた印象で、しっかり寝かせる家庭が増えています。
窪田:運動の影響は科学的にも明らかで、運動した動物の方が海馬(記憶を司る部分)が発達するという研究があります。
西村:やはり医学的にも裏付けがあるんですね。
窪田:私の持論ですが、現代の子どもたちに必要なのは「原始時代に近い生活リズム」だと思っています。原始人は一日中歩き回り、狩りをし、危険を察知しながら生きていました。その中で脳が発達し、私たちの遺伝子はその生活に最適化されてきたんです。
西村:現代の生活とは大きくかけ離れていますね。
窪田:遺伝子は100万年単位でしか変わらないので、現代の座りっぱなしで画面を見続けるライフスタイルは「脳の設計」と完全にズレてしまっているんです。だから、運動不足や睡眠不足が成績に悪影響を及ぼすのは、生物学的に見ても当然のことだと思います。
1日2時間の「外遊び」が近視を防ぐ
窪田:近視抑制の話もさせてください。現代は「近視になりやすい環境」が完璧に揃ってしまっています。外で遠くを見る時間が極端に減っているからです。
西村:外遊びの減少と近視は、直接つながっているんですか?
窪田:データがあります。外遊びを「1日2時間」するだけで、室内で14時間近く画面を近くで見続けた分の近視進行を抑制できるんです。まとまった時間が取れなくても、15分単位の細切れでもいい。ベランダに出るだけでも、日陰でもいいんです。
西村:それは親御さんにも伝えやすいですね。
窪田:近視は単に目が悪くなるだけでなく、将来の緑内障や白内障、網膜剥離といった失明につながる重篤な眼疾患のリスクを高めます。勉強と同じくらい、健康な体をつくることを優先してほしいと強く思います。



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