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WBCは再び地上波の"バラエティ番組"に逆戻りするのか…?Netflix独占配信を悪者にする人が見落とす本質

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WBCの中継は今後どうなる?(写真:Gettyimages、Chung Sung-Jun / スタッフ)
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2023年の第5回WBCでは、地上波民放は、日本が出場する7試合だけを放映した。一方でJ SPORTSは47試合すべてを放送・配信した。地上波の放送内容は、主として「ライトユーザー」むけで、実況中継は日本選手、それも大谷翔平の動向を追いかけるのが中心。相手チームの紹介はおざなりだった。試合中にもタレントも投入して番組を「バラエティ的に」盛り上げるパターンだった。本当に野球、スポーツの試合を視聴したいと思うファンには、ただただ騒がしいだけでなんとも食い足りない内容だった。このために、日本戦も地上波ではなくJ SPORTSで視聴したファンも多かった。

今年の第6回WBCでNetflixは、同じクオリティで日本戦だけでなく全47試合を配信した。日本戦は日本テレビ、その他の試合はJ SPORTSのスタッフが中心となって担当したが、放送のクオリティはいずれも高かった。今回も渡辺謙、二宮和也とタレントを起用したが、この2人は前後の関連番組には登場するも試合中継には一切かかわらなかった。日本戦も他の試合も同じトーンで、選手を丁寧に紹介し試合展開を視聴者にわかりやすく伝えることに徹していた。

「ユニバーサル・アクセス権」が導入されることで、放送を再び民放が担当し、今まで通りの低次元の放送に戻るのであれば「退歩」ではないかと思う。この場合「ユニバーサル・アクセス権」は、視聴者の「見る権利」を担保しているというよりは、海外の巨大メディアの進出から国内メディアを「保護している」ことにならないか?

NPBの成長を阻む「保護主義」になりかねない

もう一つ、スポーツビジネスの観点から見れば「ユニバーサル・アクセス権」の導入は、NPBの成長を阻害する要因になりかねない。21世紀以降、イチロー、松井秀喜、松坂大輔、ダルビッシュ有、大谷翔平、村上宗隆と、NPBのトップ選手のMLBへの「人材流出」が止まらない。従来であればNPBで2000本安打、200勝など大記録を残していたはずの選手が、キャリアのピークでアメリカにわたり、MLBでプレーをする。野球ファンにとってはそれは喜ばしいが、日本野球は実質的にMLBの「ファーム」になりつつある。

その背景には圧倒的な「経済格差」がある。2025年でいうと、1試合平均の観客動員では、NPBは3万1515人、MLBも3万人弱で、大きな差はない。しかし選手年俸総額では、NPBが平均で数十億円規模にとどまる一方、MLBでは1球団あたりの年俸総額が数百億円規模になることも珍しくない。これは各球団の「年商」の違いによる。NPB球団の年商は250億円ほど、最大のソフトバンクでも460億円ほど、MLB球団の平均は700億円規模、ドジャースは1000億円を大きく超える規模に上るとされる。

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