観客動員で見れば健闘しているNPBが、なぜMLBよりも経済規模が小さいのか? いろいろな要因があるが、最大のものは「放映権料の差」だ。NPBは、21世紀以降、昭和の時代「金の生る木」と言われた巨人戦の視聴率が10%を割り込み、地上波民放はレギュラー中継から撤退した。各球団は地域密着でファンクラブ中心の濃厚なマーケティングを展開して、それぞれ採算をとるようになったが、今では放映権料は売り上げ全体の一部を占めるに過ぎない。
これに対してMLBは、コミッショナーが先頭に立ってESPN、FOX、TBSなど巨大メディアに対して放映権を販売している。またMLB自身もMLB.TVというメディアを立ち上げ、視聴者に販売している。MLBが一括契約して得た放映権収入は、30球団に分割される。これに加えて球団がローカルメディアと結んだ放映権契約料も、大きな収入源になっている。MLBは、スポンサー、ライセンス、マーチャンダイズなどのビジネスもNPBよりもはるかに大きいが、なにより「放映権収入の違い」が経済格差につながっているとされる。
お粗末な「スポーツ放送」の中身を改善する必要性
今回のNetflixのWBC独占中継の成功でアメリカなどの海外メディアは、日本の野球ファンが「大いに有望なマーケットだ」との感触を得た可能性がある。NPBの試合もWBC同様、独占契約して有料配信すれば、大きなビジネスになる可能性がある。そしてそれはNPB球団にとっても巨額の放映権収入を得ることを意味する。日米プロ野球の「経済格差」を縮めるうえで、大きな一手になるはずだ。
しかし「ユニバーサル・アクセス権」の対象が広く設定されれば、このビジネスモデルは導入が難しくなる可能性がある。「ユニバーサル・アクセス権」を導入するのであれば、日本の民放は今のお粗末な「スポーツ放送」の中身を改善する必要があるだろう。
筆者としては、スポーツコンテンツのさらなる進化のために、Netflixなど海外メディアの進出は「必須」だと思う。うまい解決策はないのだろうか。
