大西洋では資源管理の成果により、クロマグロ資源が急回復しています。太平洋のクロマグロの漁獲は、日本が57%(2022年)と最大の割合を占めています。あまり知られていませんが、アメリカなどが日本の資源管理に圧力をかけてくれたおかげで、外圧により資源が回復しているのです。
日本では少し獲れるようになると、すぐに、せっかく増えようとしている資源をつぶしにかかってしまいます。昨年(2025年)のスルメイカが悪い例ですが、政治家が動いて行政に圧力をかけ、枠というゴールポストを動かしてしまいました。せっかくの資源回復の芽を摘んでしまい、獲れなくなると海水温上昇などへの責任転嫁がはじまる。この悪循環を止めねばならないのです。
2025年の漁業生産量は過去最低を更新
クロマグロだけを見れば、資源管理によって魚が戻りつつあるように見えます。しかし、それは日本の水産業全体で見れば例外的な動きです。むしろ多くの魚種では、資源管理が十分に機能してこなかった影響が、漁獲量の減少という形で表れています。
2025年の漁業生産量が発表されました。358万トンと、同じ形で統計を取り始めた1950年代から過去最低を更新しました。資源管理制度が機能していないので、衰退する一方です。筆者は、2024年に比べてマイワシとサバ類の漁獲量が多いことはわかっていたので、前年比微増かと思っていました。
しかしながら、漁業と養殖の合計結果は1.6%減。さらに海面漁業は3.1%減の270万500トンで、約8万6000トンも減少していました。この数量は、昨年(2025年)獲れたなどと報道されていたサンマ(6.5万トン)と、スルメイカ(2.8万トン)の合計とほぼ同じです。合計では増えるどころか減っていたという、驚くべき厳しい数字なのです。
さらに暗いニュースがあります。2026年の1〜4月で、マイワシが前年比で13万トンも減少しているという数字です。マイワシは資源変動があるので、昨年約71万トン獲れていたものが急激に減ると、漁獲量減少が加速してしまう恐れまで出てきています。マイワシは、マグロやサバをはじめ、様々な魚種のエサになっている魚です。エサとなる魚が減れば、他の魚も減っていきます。

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