「DC銀座」として知られる千葉県印西市では、千葉ニュータウン中央駅前のDC計画に反発する近隣住民が今年3月、県に代わって建築確認を出した民間の指定確認検査機関(日本ERI)を相手取り、建築確認処分の取り消しを求める訴訟を千葉地裁に起こした。
住民側は、同施設が地区計画上認められない「工場」または「倉庫」に当たると主張している。
東京のベッドタウン、東京都昭島市でも「GLP昭島プロジェクト」と名付けられた、日本最大級のDC建設計画がある。事業者は、物流施設ディベロッパー大手の「日本GLP」。ゴルフ場跡地の東京ドーム約12個分に当たる約58万平方メートルの敷地に、高さ約35メートルのDC8棟と、高さ最大55メートルの物流施設3棟を建設する計画だ。
すでに造成工事が始まり、推計3千本以上の樹木が伐採され更地が広がっている。全ての施設の完成予定は29年だという。
22年2月に計画が公表されると同年5月、地域住民は「昭島巨大物流センターを考える会」を立ち上げ、計画の撤回を含む見直しを求めている。
「考える会」事務局の浅田健志(たけし)さん(55)は「もともと緑豊かで涼しい環境だったところが失われてしまう」と訴える。
考える会側は、専門家の試算として、DCの年間使用電力量は市内全体の約6倍、CO2排出量は約4倍、排熱量は3.5倍に達すると主張。さらに計画地には、環境省のレッドリストで「準絶滅危惧種」に選定されているオオタカの生息も確認されていて、生態系への影響も強く懸念されるという。
「市民が懸命に取り組んできた地球温暖化防止の努力が、水泡に帰してしまう。緑も失われ、住民が豊かに暮らす権利が奪われます」(浅田さん)
昭島市都市計画部の担当者は本誌の取材に「事業者に対して要請や申し入れを行い、数年にわたり協議を重ねてきました。今後も市民の意見を受け止めながら、事業者と協議・調整を行ってまいります」と回答。
一方、日本GLPの広報は、「ステークホルダーの考えについて、恐縮ながらコメントする立場にはございません」などと答えた。
印西・昭島で訴訟や反対運動、各地で調整が続く
各地で住民と事業者・行政の対立や交渉が続く。問題の論点は何なのか。
