計画が明らかになると、地元住民の間に動揺が広がった。DCが建つ西側と北側は、高さ制限が設けられた「第1種低層住居専用地域」になっていて、住宅地が広がる。先の山崎さんの自宅は、建設予定地の西側直近にあり、そこで22年間暮らしてきた。
「まず問題は、建物の高さによる圧迫感や日陰の影響です」
建物の高さは最高点で72メートルに達し、20階建てのマンションに相当する。完成すれば日野市内で最も高い建物となる。その結果、夏至のころには、道路沿いにある公園や山崎さんの自宅などは午前8時半頃まで日が当たらなくなるという。他にも火災や騒音、排熱、地盤沈下などで平穏な生活を侵害されると訴える。
加えて、市民の会側のシミュレーション結果では、稼働による二酸化炭素(CO2)の排出量は日野市の目標値の2倍以上の量となり、周辺の気温を最大3度上昇させる可能性があるという。
市民の会は三井不動産に対し、DC稼働時の電力使用量やCO2排出量、サーバーを冷却する際に生じる空調設備からの排熱量などの開示を求めてきた。だが、同社は情報公開に応じていないという。今年1月と2月、市民の会は市に対し、DC計画を認めた「適合通知」の撤回を求め、行政不服審査法に基づく審査請求を提出した。
山崎さんは「われわれは建設反対ありきではない」と言う。建物の高さや電力消費量をより低く抑えたり、排熱を利用し地域に還元したりするなど、話し合いによって解決できる道はある、という。
「しかし、情報も開示しないまま巨大なデータセンター計画を進めることには納得できません。未来の子供たちに、負の遺産を負わせたくありません」(山崎さん)
住民の不安に企業は?
市の都市計画課は本誌の取材に「まちづくり条例に基づき、市民が意見書を提出する機会を設けるなど一連の手続きを経て事業者(三井不動産)に指導書を交付している。引き続き、まちづくり条例に基づき事業者に対して適切に指導してまいります」と回答した。
