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原油高だけじゃない!中東情勢が悪化するほど〈有事の円売り〉が強まる要因が新たに浮上…赤字急拡大中の経常収支項目

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ホルムズ海峡航行の保険料が跳ね上がり、「海峡封鎖」状態に(写真:ロイター/アフロ)
  • 唐鎌 大輔 みずほ銀行 チーフマーケット・エコノミスト
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2022年以降、筆者は円安相場の底流として貿易収支赤字の拡大基調、第1次所得収支黒字における「日本企業の戻らぬ海外収益」問題、そしてデジタル赤字の拡大基調などを構造的な円安要因として取り上げ、議論を深めてきた。これらの論点は相応に周知され、円安の原因を日米金利差だけに帰責するような議論は一時に比べれば退潮していると感じる。

しかし、国際収支には当該国経済の抱える特徴の森羅万象が表れやすく、常にさまざまな変化に気を配る必要がある。

今回、取り上げたい動きは第2次所得収支赤字の急拡大だ。

過去3年でデジタル赤字に匹敵する規模に

第2次所得収支は、居住者と非居住者の間で生じる「対価を伴わない無償の資金移転」を示す項目と定義される。主に政府や民間の無償資金援助、国際機関への拠出金、寄付、贈与、および外国人労働者の本国送金などが計上されることで知られる。

図に示すように、パンデミック以前の2019年に1兆3700億円だった赤字は2025年には5兆5743億円へ、4倍以上に膨らんでいる。1999~2013年は赤字が約1兆円、14~21年は約2兆円で安定推移してきたが、過去3年程度で赤字が急拡大している。明らかな変調と表現していいだろう。

5兆~6兆円という赤字規模は経常収支全体にとっても無視できない。例えば、近年、注目されやすいデジタル赤字は6兆~7兆円で推移しているため、これに匹敵する規模ということになる。第2次所得収支赤字を規定しているのが「その他経常移転」収支であり、これだけで5兆円以上の赤字に及んでいる。

拡大を主導しているのは「再保険取引」

現状、第2次所得収支の赤字拡大を主導しているのは、政府の無償資金協力などの伝統的な項目ではなく「その他経常移転」だ。結論から言えば、これは再保険関連の取引に絡んだ動きである。

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