開発担当者がヨーロッパの展示会や見本市を視察した際、建築資材の「環境によって変形する素材」を目にした。「衣料品にも使えるのではないか?」とひらめいたことが、特殊な生地構造を生み出すブレイクスルーとなった。
「何度も試作を重ね、最終的に『外からの熱線は跳ね返し、内からの空気は通す』という、相反する機能を両立させる特殊な顕微鏡レベルのパイル・スリット構造にたどり着いた時は、開発チームから歓声が上がりました」
「着て身体を守る」意識の高まり
筆者は、多くの企業に取材する際、かなり前から「日本の夏は亜熱帯化」という説明を聞いてきた。それが近年は「熱帯化」に近づいたと感じる。
夏服に対する消費者の意識も変わってきた。
夏に近所のコンビニやスーパーに行くような外出は、Tシャツや短パンといった(肌露出)スタイルが主流だが、長袖を着たり、フードを締めたりして熱線や紫外線を「しっかりガードして身体を守る」人も増えている。
紫外線や日差し対策に最も敏感なのは「子育て中のママ」かもしれない。
子育て中の仕事関係者からも、「夏の晴れた日に公園で子どもを見守るママの大半は、全身を覆う格好が多い」という話を聞いてきた。子どもを乗せて自転車で移動する服装を見ても、全身ガード姿が目立つ。
消費者がワークマンの商品を選ぶ際はどうか。
「素材の機能性を重視する方は増えました。店頭で見ていても、商品を手で触って判断するだけではなく、商品タグをしっかり確認して購入されるお客さまが多くなったと感じています」
