「生徒を卒業させてしまえば、学校はその生徒に対する責任から解放されます。しかし、少子高齢化が進み、生産人口が減少する中、社会全体のことを考えれば、子どもたちが社会で生きていくための基礎的な学力を身につけられる教育が必要ではないでしょうか。
教員や保護者の多くは受験者数が多く『点数を取ったもん勝ち』の教育を受けてきた世代。教員は自分たちが受けてきた『点数が取れる教育』を行いますし、保護者もそれを期待します。その負債が蓄積され続けてきた結果が、今の状況なのでしょう」
副業可能な社会人はぜひ教員として学校へ
課題が山積する学校教育。教員になる前に一般企業に勤務した経験を持つ原田さんはこんな提案をする。
「近年、副業を認めている企業が増えているので、副業として学校の非常勤講師をやってみてほしいですね。一般社会を知る方に学校を中から見ていただき、課題を見つけられる人が増えれば、学校のあり方を変えようという機運や議論が高まるはず。
ネットで『学校はこうあるべき』という意見も見られますが、その多くは自分が生徒だった頃の視点や認識で語られています。働く人の視点で見てみたら、現代ならではの問題も見えてきますし、本業に生かせる新しいアイデアが生まれる可能性もあるのでは」
しかし、教員という仕事が副業で務まるのだろうか。
「もちろん教員免許を持っていることが前提ですが、人に教えることは何も特別なことではありません。働いている人なら、部下や後輩を指導する機会もありますよね。お子さんがいる方なら、ご自身のお子さんに何かを教えることもあるでしょう。
それらの延長線上に教員の授業があるのです。また、教員は教員以外のなり方を知らないことが多い。それは決して悪いことではありませんが、教員以外の経験を持つ人が生徒に関わることは、生徒の可能性を広げることにもなるはずです」
受験を意識するとどうしても「手堅く点数を取る」ことが重要視される数学の授業。学歴という価値観は今も強固だ。そして、学校教育で教えるべき内容が増える中で、基礎学力の習得を持ち越す子がいるのも現実だ。
自らの興味関心を探究することも大切だが、基礎的な計算能力という学びの土台がなければ、それ以降の学びは不安定なものになってしまうだろう。



