「定型業務や付加価値の低い業務を徹底的に削減し、収益成長の担い手を900名増強する」――。
国内最大手信託の三井住友信託銀行が大規模な組織再編に乗り出している。5月に発表した新中期経営計画で、バックオフィスの省人化により2029年3月までに人員約3割をフロントにシフトさせると発表したのだ。親会社三井住友トラストグループの大山一也社長は説明会で冒頭のように述べた。
事務オペレーションや契約・案件管理、データマネジメントなどの既存業務をAIによって補完することで、資産運用や富裕層ビジネスなどの顧客営業を担うフロントオフィスに人員を再配置する計画だ。
業務プロセス変革投資のための予算として300億円を設定。25年度のグループ連結OHR(業務粗利益に対する経費の割合)63.8%を28年度までに60%未満に引き下げる。
新社長が名指しする「キーマン」の存在
「3年で3割シフト」という大胆な構想からは、三井住友信託銀行のデジタル領域強化に対する本気度がうかがえる。
今年4月には同行の新社長として米山学朋氏が就任。新社長選任にあたっては、指名委員会において「IT・デジタル」の領域強化が重視された。デジタル企画部やIT統括部などを率いてきた米山氏だが、両部署を統合したI&T統括役員も引き続き兼任するという、銀行トップとしては異例の人事となっている。
組織再編の舵取り役を任された米山氏だが、同氏が3割シフトを実現する上で「彼がキーマンであることは間違いない」と話す人物がいる。
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