エースの梶原は自身の数字を落としましたが、その背景には佐々木へのコーチングという「見えにくい貢献」がありました。ただ、その意図や価値はチームには共有されていませんでした。ハジメは「この雰囲気を壊したくない」として、その場での追及を避けますが、結果としてメンバーから「それでいいのか?」と厳しく問い返されてしまいます。
この一連のやり取りは、圧倒的な成果を出すチームをつくるうえで、本質的な問いを私たちに投げかけます。
成果を称えるだけでなく、不安や怒り、迷いや葛藤といった言いづらいことにもしっかりと向き合い、そこから学びを引き出せてこそ、チームは本当の意味で進化します。
この章では、チームの動きを整えるために不可欠な「振り返り」のあり方に焦点を当てます。
会社から離れた場所で行うオフサイトやQBR(Quarterly Business Review、四半期ビジネスレビュー)、チームミーティング、情報共有の仕組みなどをどう活用したらいいのか、チームとしてどのように軌道修正しながら、メンバーが力を発揮できるようにしていくのか。圧倒的な成果に導くためにマネジャーが取るべき動き方を具体的に見ていきましょう。
「振り返り」の仕組みをつくる
圧倒的な成果を出すチームには共通して、成功事例を広げる仕組みがあります。これは、お互いに尊重し合っていて、ビジネスでうまくいった事例を積極的に同僚に共有することが当たり前になっているからです。
Googleには「やってみないとわからない」「言わなかったら、存在しないことと同じ」という企業風土があります。
たとえば、あるメンバーが画期的な提案方法で大きな受注をしたとします。そのやり方を属人的なノウハウとして終わらせるのではなく、「なぜうまくいったのか」「どこがポイントだったのか」を言語化・図解化し、ほかのメンバーにも共有することで、チーム全体の能力の底上げをするようにします。
