この方法は地道ですが、チームが確実にレベルアップする方法です。コロンブスの卵の寓話のように、最初は卵が立つ方法なんて誰も考えつかなくても、一度でも卵が立つのを見ると、それがチームにとっての「当たり前」(新たな基準線)になります。そして、次はその基準線を超える新しい方法を自然と模索するようになります。
ほかにも、Googleには「Steal with Pride」(誇りを持って盗め)という表現があります。これは、よいアイデアや優れたやり方をためらわずに取り入れ、自分のチームや業務に活かしていくという考え方です。
大切なのは、単に真似をするのではなく「成果を出すための学習機会」と捉え、他者の成功事例を導入し改良を加えることで、組織全体にとっての財産とすることです。そのため、真似されることは、周囲に評価され、認められた証となり、社内では名誉なことと受け止められています。
こうしたベストプラクティス(好事例)の共有は、実際、日常のさまざまな場面で展開する機会があります。まずはチーム内の定例ミーティングなどで、成功事例を定期的に紹介してみるのも1つの方法です。
私のチームでは、国内の他部署との共有にとどまらず、グローバルチームに対しても積極的にベストプラクティスを共有していました。すると、それを聞きつけた他チームから「その事例、ぜひうちでも紹介してほしい」と声がかかるようになりました。
共有用の「テンプレート」を用意する
ベストプラクティスの共有と聞くと、大がかりで時間のかかる「内向きの仕事」に思えるかもしれません。しかし、実際には慣れてしまえば想像以上に簡単に進められるものです。
そのコツの1つが、あらかじめ共有用の「テンプレート」を用意しておくこと。書き込み例があると、さらにわかりやすいでしょう。
私たちがよく使っていたのは、「SBIフォーマット」(※「SBIフォーマット」:「Situation(状況)、Behavior(行動)、Impact(影響)」の3要素で構成される事例共有やフィードバックのための整理手法)と呼ばれるシンプルで汎用性の高い枠組みです。
このようなテンプレートを使うことで、発信する側にとっては構造的に考えを整理しやすくなり、受け手にとっても内容を素早く理解しやすくなるという利点があります。
まずはこのような枠組みを用意して、ぜひ成功事例の共有を始めてみてください。

